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阿佐蔵の暇つぶし

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十二人の怒れる男(12 Angry Men)アメリカの12人の陪審員・・・について

監督 シドニー・ルメット
原作 レジナルド・ローズ

役名および出演者名

陪審員1番  マーティン・バルサム(陪審員長、司会進行役、フットボールのコーチをやったりする)
陪審員2番  ジョン・フィードラー(銀行員)
陪審員3番  リー・J・コッブ
陪審員4番  E・G・マーシャル(株のブローカー)
陪審員5番  ジャック・クラグマン(スラムで若い頃を過ごす)
陪審員6番  エドワード・ビンズ(塗装工)
陪審員7番  ジャック・ウォーデン(ヤンキースファン、セールスマン)
陪審員8番  ヘンリー・フォンダ(建築士)
陪審員9番  ジョセフ・スィーニー(最高齢の男性)
陪審員10番 エド・ベグリー(自動車修理工場を経営)
陪審員11番 ジョージ・ヴォスコヴェック(時計職人)
陪審員12番 ロバート・ウェッバー(広告代理店勤務)
裁判官    ルディ・ボンド
守衛     ジェームズ・ケリー
係官     ビリー・ネルソン
被告人    ジョン・サヴォカ

まずは、予告編から



あらすじ

228 殺人事件の公判後に裁判官から陪審員への説明がされている。

1.証言や適用される法律を基に判断しなければならない。
2.被告人の有罪に(妥当な)疑いがあれば、無罪とする評決となる。 疑いがない場合は、有罪。 評決は全員一致でなければならない。
3.陪審員が有罪の評決である場合、「裁判所は情状を酌量しない」 → 被告人は死刑判決

12人の陪審員が別室(評議室)に集まる。 換気のため窓を開ける。 係員がドアをロックする。

事件は、10代の少年の父親を少年が殺したかどうかというものだ。

話し合いの前に、まずは挙手で全員一致かを確かめる。
11人が有罪、1人(陪審員8番)が無罪という結果。 陪審員8番は、確信はないのだが、簡単に決めすぎるのはよくない・・・ということで有罪かと聞かれた時に手を挙げなかった。

少年を有罪とすべき根拠としては、
「殺人現場の下に住む老人が事件の夜(午前12時10分頃)、少年と親が激しく争う物音を聞いた」
「少年のアリバイは、映画を見ていたということだが、タイトルも思い出せない」
「向かいに住む女性が事件を目撃」
「事件の日の午後8時頃、少年は、親に殴られ、家を出てナイフを購入」
「少年に前科があった」

議論が進まないことに陪審員たちは、イライラ。

少年を有罪とすべきでない疑いとしては、
「弁護士がダメ」
「証人が2人で、実際に見たのは1人。 状況証拠はあるが、見間違いもありうる」

犯行に使われたナイフを検証。 珍しいナイフで偶然、似たような物を入手した可能性は低い。 ・・・ということだったが、陪審員8番は、少年の近くの古物商から似たようなナイフを購入していた。 それを、他の陪審員に見せる。

もう一度、今度は無記名で陪審員8番以外の11人が紙に書いて投票することに。 もし、11人全員が有罪ということなら、陪審員8番も従うということだ。

Guilty、Guilty、Guilty、Guilty、Guilty、Guilty、Guilty、Guilty、Guilty、Not Guilty、Guilty、

「列車が通過している時に少年が父をナイフで刺すのを見た」という向かいに住む女性の目撃証言と、老人が聞いた「殺してやる」という少年の叫び声は矛盾すると陪審員8番が指摘。 電車の騒音がものすごいので、誰が叫んだか明確に識別できないはずという論理で。

陪審員9番が、証人である老人の証言には疑いの余地があると主張。

無罪に投票する陪審員が増え始める。

そして・・・

夕立。 扇風機。 驚いた?

十二人の怒れる男

一言で表現するなら
白黒ハッキリさせるために、モノクロ映画となっている。


ジャンル
法廷ドラマというか法廷の裏側ドラマ。
 評決のための審議で繰り広げられるセリフでのバトルという感じだ。 映倫は当然のG指定。 家族が集まってお茶の間で見ても全然問題ない。 最近は日本で裁判員制度が導入されたことで、陪審員制度にも注目が集まるようになった。 しかし、それまでは、海の向こうの制度という感じで、イマイチ実感がわかなかった人も多い分野。


出演者
出演者は、番号と職業名だけで呼び合う。
 刑務所もそんな感じだという噂を聞いたことがあるが、何かの偶然だろうか?

陪審員8番役のヘンリー・フォンダは、プロデューサーも兼ねている。


ストーリー
十代の少年が父を殺したという事件の公判が終わる。 陪審員たちは、全員一致の評決を得るために審議に入る。
 状況証拠(犯行に使われた凶器であるナイフが珍しい物で少年が事件当日購入した)や目撃証言(向かいに住む女性が犯行の一部始終を目撃)など、被告人(少年)に不利な証拠が多数あったため、陪審員8番を除く11人の陪審員は有罪に投票する。 しかし、陪審員8番は、被告人を有罪とするには疑いが残るとして、自説を展開し始める。 他の陪審員たちも巻き込んで、証拠や状況を一つずつ確認し・・・


見所
やはり、ラストシーン。



裁判員制度と陪審員制度
日本に導入されたのは、裁判員制度。 今作で扱われている陪審員制度とはちょっと違う。 (周知のことかもしれないが)量刑まで含めて裁判の判決にかかわる裁判員制度に対して、有罪か無罪かを判断するに留まる陪審員制度(ちなみに、今作では有罪の評決→死刑判決という結論ということになっているが、裁判官の裁量で量刑を変えたことがあったこともある・・・という筆者の曖昧な記憶だけど)。 多数決で決定することがある裁判員制度と、全員一致を原則とする陪審員制度。 裁判官が審議に参加するかどうかの違いがある。

陪審員に選ばれる条件として、対象とする事件について詳しく知らない(特に事件を扱った報道に接していない)ことというのがあるらしい。 公判で争われる前から結論を持っている人が陪審員をすると、裁判の意味がなくなってしまうので。 ちなみに、陪審員8番が少年の家の近くでナイフを買ったのは、公判中の証言を基にしているのでギリギリセーフってところかな。


限られた予算と撮影期間
(35万ドルは1957年としても)低予算で、限られた日数(約2週間)で撮影されたにもかかわらず、これだけ見応えのある作品が製作された。


作品の方向性(5段階)および評価
法廷の裏側度5(間違いなく)、ドラマ度4、「ところで、陪審員4番が見たという映画(「深紅の輪」と「驚くべきベインブリッジ夫人」)がみつからないんだけ」度5(う~ん)。 ということで、作品の評価は、久しぶりに白黒映画をみたが、カラーでないことが全然気にならないほど集中してみることが出来る傑作。 


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  1. 2015/01/10(土) 22:00:00|
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